無職と羊

朝目覚めると雨上がりなのか、見知らぬ羊が庭を駆け回っている。埃っぽい毛のまわりに透明の光が反射して明るい。これはいいことがあるかもしれない。

 

コーンフレークに牛乳をかけようと冷蔵庫を開ける。庭を見ると羊がこっちを見て動かない。まずい。餌を要求しているのか。牛乳はもうない。お金がないから公園にいってとりあえず草をもってくるか。ちょうどやることもないし、いい暇潰しになるな。

 

ちかくの公園にいってみると同じように草をとっている人が何人もいた。まずいぞ。ほとんど草が残ってない。まさか皆のところでも羊が来たのか?みんなも仕事をせず、ここにこうして草をとりにきているのか。話しかけて草を分けてもらおうかと思ったが、やっぱりやめて帰ることにした。